
PGⅠ第7回BBCトーナメントレポート
あみだ抽選は楽しい

そうした激闘をくぐり抜けて決勝進出を果たした6名のファイナリスト。全員がSGウィナーで、現役2位タイのSG優勝回数を誇る選手が2名もいて、6人あわせてSG32冠。実に豪華な決勝戦となった。そして、その決勝戦の枠番は、もうご存じの通り、あみだマシーンを使用しての抽選ですべて決まる。池田浩二は1回戦から準決勝戦まですべて1着で勝ち上がったが、決勝1号艇が手に入るわけではない。逆に1回戦からオール3着で決勝戦に辿り着いたとしても、1号艇で決勝を戦える可能性がある。不条理といえば不条理、「(優勝するためには)結局、あみだでしょ」なんて声も聞こえたりしたものだが、考えてみればボートレースには不条理はつきもの。本来はすべて16・7%であるべき各コースの1着率なのに、1コースは55%もあること。同じ仕様のはずのモーターには性能差が生じていて、どのモーターを使うかは抽選で決まること。非常に重要なその2点をとっても、不条理さはまとわりついている。そう、ファンにとってボートレースは不条理を楽しむものという側面があるのである。そのひとつの究極がこのBBCトーナメント(の決勝戦)にはある。年に一度、これを楽しむのがオツというものでしょう。選手としても、ビッグレースでは年に1回だけのシステムなのだから、割り切って戦うしかないだろう。

何より、あみだ抽選会は見ているほうとしては実に楽しいのである! ファン感謝3Daysのバトルトーナメントでも、ファイナルの枠番抽選はこのあみだマシーンを使用するが、5号艇と6号艇は自動で決まるので、あみだを4本しか使わない。6本フルに使うのはこのBBCトーナメントのみ。それだけで特別感がある。そして、ヒュンヒュンヒュンという音とともにあみだが進んでいくときの高揚感! 辿り着いた先の号艇はその時点ではまだ隠されているから、興奮は持続する。そして、上から号艇を明らかにしていくときのさらなる興奮! 今回は、いちばん上に辿り着いたのが末永和也で、そしていきなり1号艇が飛び出したものだから、一発目から興奮はマックスとなった。
「おい、帰るぞ」
自分が1号艇となる可能性があっという間に消えて、隣にいた池田浩二に崩れ落ちるように抱き着いた新田雄史に、池田はそう言って立ち上がり、本当に帰ろうとした(素振りを見せた)。うん、気持ちはわかる(笑)。いきなり1号艇が出てしまっては、他の5選手としてはもうあとの楽しみはないですからね。そしてその池田の号艇を開いたら、6が出てきたわけですが(笑)。そう、3連勝で決勝進出の池田が大外枠なのである。繰り返すが、この不条理こそがBBCということだろう。ともかく、末永が1号艇だった瞬間、池田が抱き着いてきた新田とともに立ち上がった瞬間、池田が6号艇とわかった瞬間が、今回の抽選会で最高に盛り上がったビッグ3でありました。

優勝してチャンピオンベルトを腰に巻いたのは、1号艇を引き当てた末永和也である。その幸運を引き寄せたことが大きかったのは確かだが、しかし昨年のダービー制覇で手にした1回戦1号艇、さらに準々決勝1号艇をしっかり逃げ切り、準決勝は2号艇から2着で勝ち上がった、かなり王道に近い優勝でもあった。来年のこの大会は、選考1位で出場することになるわけで、もしかしたら末永自身が不条理を味わうことになるかも!? それを突破できるかどうかも含めて、1年後の三国大会もおおいに楽しませていただくとしよう。(黒須田)
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