
SG第35回グランドチャンピオン節間最新レポート【3日目】

<今日のベストレース>
5R 山田康二 1コース逃げ
進入の駆け引きに見どころがあったレースだ。ピット離れで5号艇の西村拓也と6号艇の峰竜太が入れ替わりつつ、それ以外は大きな動きもなく6艇はホーム水面へ。昨日、エース機らしい抜群の動きを見せていた原田幸哉が4号艇で、ここは当然4カド狙いの進入。外枠3艇は当然、ダッシュへと艇を引いたのだが、ここですかさず3号艇の松井繁も引いている。3カドか!? そう思われた瞬間、松井はなんと原田の外にピタリとつけた。なんと、原田をマークする策に出たのだ。まさに王者の奇策! 結果、並びは12/4365。エース機を駆る原田が3カドとなり、さらに破壊力を増し、そして松井はマークして差そうという勝負手を繰り出してきた。これは1マークの攻防が熱くなりそう!
しかし、なかなか事は思い通りには運ばない。原田が伸びを欠いたのだ。いきなりの3カドはやはりスタートが難しく、全速でスリットを通過できなかったのか。それとも昨日とは気候が変わって、やや足色に変化があったのか。いずれにしても原田はスロー勢を超えていくことはできず、松井の戦略は無に帰すことに。こうなるとスロー2人はコース利を意地でも死守するわけで、イン山田康二が逃げ、2コース井口佳典が差して、2人のワンツーとなったのだった。
誰もが原田のカド戦を脅威に思っていたのか、2連単①-②は1080円(5番人気)という思わぬ好配当。こういう妙味があるのもまたボートレースの醍醐味である。各選手の思惑がそれぞれに蠢き、勝つための最善の方法を模索しながら、時にそれが不発に終わることもある。ボートレースはやっぱり深い! そんなことを思わされた一戦だった。

<ピットから>
部品交換を行なってレースに臨む選手が非常に多い今節。3日目は3Rと4R以外、残りすべてのレースで部品交換の発表があった。戸田のモーターは昨年8月が初下ろしで、約11カ月使用してきている。相場はほぼ固まりつつある状態なわけだが、しかしSGレーサーたちは何とかパワーアップを果たそうと手を尽くす。桐生順平は今日、連勝を果たしているのだが、3Rではクランクシャフト交換、12Rではキャブレタ交換で臨んでの連勝である。桐生の場合は地元だからなお、機力劣勢を意地でも立て直そうと必死に整備に取り組むのである。

部品交換の内容を見ると、ギヤケースやキャブレタ、電気一式、キャリアボデーなど、いわゆる本体以外の交換も目立っている。これだけ長く使われてくると、さまざまな整備が施されていて、本体整備の余地が少ないモーターもあるということか。キャブレタは吸気、キャリアボデーは排気に関わる部分で、そうした細部の整備により上積みをはかろうということかもしれない。2Rでは河合佑樹がキャリアボデー交換。河合18号機は評判機だが、初戦1着の後は6着が続いた。2Rは6号艇からピット離れで4コースを奪って2着。キャリアボデー交換の効果ということになるか。

交換発表のない、ブラケット交換も多く見かけているように思われる。吉田裕平がこれを行なったのはすでに書いたが、今日は平本真之が行なっているのも見かけた。長く使われたモーターだからこそ、違和感のある部分にひたすらこだわり、交換発表がないような細かい部分を突き詰めていく。SGレーサーはそうした部分の感覚にも秀でているということだ。
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