
SG第35回グランドチャンピオン節間最新レポート【初日】

<ピットから>
8R発売中、違和感を覚えるボートを見かけた。試運転のプレートをカウルにつけているのに、モーターが装着されていないのだ。ネームプレートを見ると、吉田裕平のボートであることがわかる。今日は5R1回乗りだったから、その後に試運転をしようということだったのだろう。そして、モーターが乗っていないということは、間違いなく本体整備中だ。整備室を覗けば、もちろん整備に励む吉田の姿が。6着大敗で、パワーアップの必要性を感じたということだ。
なぜ違和感があったかというと、多くの場合、レース後の本体整備後に試運転には出ないからだ。翌日の朝に乗ってみて、整備の効果を確かめるという選手がほとんど。だから試運転のプレートがついているのにモーターが乗っていないというボートはあまり見かけることがないのである。
吉田は整備後、すぐにでも感触を確かめたかった、ということだ。戸田の試運転タイムは10R発売中までなので、時間はあまり残されていない。それでも乗らずにはおれなかった。9R発売中に整備を終えて試運転に向かった吉田。整備が奏功していることを願います!

もうひとつ、違和感のあるボートを見たのは9R発売中。峰竜太のボートに乗っているモーターから本体が外されていたのだ。これももちろん本体整備。なぜ違和感かといえば、峰は12Rドリーム戦を控えているのである。ドリーム戦に出走する選手が、このタイミングで本体を割る!? これはもう、今までにほとんど見た記憶のない光景である。
というか、12R出走選手が中2レースほどないのに本体を割るというのは、ドリーム戦うんぬんを抜きにしてもまず見かけない光景なのである。そう、もう時間がないのだ。もし整備が失敗でも、元に戻す時間はほぼない。しかも10R発売中にはスタート特訓もあるから、これに出ようとするなら大急ぎで整備を終えなければならないのだ。
そこまでして峰はドリーム戦で勝つことに必死だったということだろう。時間はほとんど残されていなくても、整備せずにはいられなかった。もちろん朝から調整を進めてはいた。それでも、まだ足りなかった(あるいは方向性が違っていた)のだ。ドリーム戦の結果は2着。それでも、ここまで妥協せずに調整し抜いた峰の姿勢が尊い。
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