
PGⅠ第14回クイーンズクライマックスレポート
何という得点争い

遠藤が暫定4位という状況に衝撃を受けているメディア陣は多いように見受けられた。そして、鎌倉が一気にトップに立ったことで、レディースチャンピオンに続くPGⅠ完全制覇のムードも高まっていった。ただし、まだ決着はついていなかった。12Rにひとり、逆転トップに立つ可能性を残している者がいたのである。
①浜田亜理沙 9
②實森美祐 4
③平山智加 12
④高憧四季 14
⑤渡邉優美 16
⑥平高奈菜 12
鎌倉は勝って25点としており、これを1着で抜く可能性があったのは渡邉だ。2着でも25点で並ぶが、それでは渡邉には1着がないので上位着順差で後塵を拝することになる。それをおそらく把握していたはずの渡邉は渾身の5コースまくり差しを放つも、及ばず。この時点で鎌倉のトップは確定的となった。
その瞬間、もうひとつの勝負駆けに気づいた人も少なくなかっただろう。逃げた浜田亜理沙はこのままゴールすれば19点。2マークを回って2番手は内から渡邉、平高、實森の並走状態で、5番手を走る平山と最後方を走る高憧は浜田を抜くことができない。そう、初戦5着、2戦目6着と大敗が続いていた浜田が大逆転優出を果たす可能性が高まったのだ。レディースチャレンジカップでの負傷で、出場すら危ぶまれていた浜田。大敗の連続はその影響もあるかと考える向きも多かっただろう。しかし浜田はそうした不安をここで一掃したのだ。まさに見事な逃げ切りと言うほかない。

ところが、ドラマはまだ終わらない。2番手争いで優位に立っていると思われたのは最内に位置した渡邉だったが、まだ優出を諦めていなかった平山が2周1マークで先マイを仕掛けたのだ。これを抱いて回って交わした渡邉だが、その間隙を平高が突いた。バックで並びかけると2周2マークで逆転。得点21となって、浜田を抜き返したのである。平高が引いていた23号機は、直前の転覆事故で足落ちし、2連対率は上位なのでトライアル使用機とはなったものの、最も引いてはいけないモーターとまで言われていたものだった。それを整備で立て直し、最終戦6号艇6コースから道中大逆転で6位に滑り込んだ。まさに圧巻の勝負駆けである。ちなみに、もし渡邉が2番手を死守していたなら、優勝戦は①鎌倉②渡邉③小野④川野⑤遠藤⑥浜田となっていた。5号艇で優勝戦を走って準Vだった渡邉にとって、これもまた痛恨の3着だったということになるだろう。トライアル最終戦のほんのわずかな着順の違いが、ガラリと違う優勝戦を生み出していたかもしれない。まさしく凄絶すぎるトライアル第3戦の得点争いだったのである。

そんな激戦を切り抜けて、優勝戦1号艇を手にし、しっかり逃げ切ってみせた鎌倉はただただ尊い。史上2人目の夏冬完全制覇はもちろん快挙だが、女子トップたちが死力を尽くして真っ向勝負し、最後まで諦めない競り合いを繰り広げたうえで、最後にティアラを手にした価値はとことん高いものだ。大晦日に素晴らしい戦いをありがとう。そして、心からおめでとう。鎌倉涼、本当に素晴らしい優勝だった!(黒須田)
BOATBoy最新号
テレボート会員限定
boatboy newest release
