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TOP特集ビッグレースレポートSG第60回ボートレースクラシックin若松レポート

SG第60回ボートレースクラシックin若松レポート

2025年SG開幕戦! 佐藤隆太郎がSG初制覇を果たしたボートレースクラシックの熱血レポートです。

特別な思いを胸に戦った西山貴浩
力強く頂点に立った佐藤隆太郎

 優勝戦のメンバーが確定したとき、僕は少々、複雑な思いになってしまったのである。
 佐藤隆太郎の1号艇は、実に嬉しかった。東京に棲家を構えるファンとしては、どうしたって東京支部に肩入れしたくなる。生まれは長野県でも、支部は東京。そんな感覚。しかし、ご存じの通り、東京支部といえばもう四半世紀もの間、濱野谷憲吾、なのである。もちろん濱野谷のことは大好きだ。50歳にもなって衰えない旋回力やスピード、ようするに強さには敬意を抱く。ただ、濱野谷に続く存在、いや、あえて言うなら、濱野谷に取って代わる存在が出なければいけない、とも強く思う。この20年、濱野谷以外の東京支部SGウィナーは2人しかいなかった。高橋勲と長田頼宗。高橋は濱野谷の先輩である。長田のSG制覇からもう10年が経つ。そろそろ新たなるSGウィナーに誕生してほしい。だから、佐藤がポールポジションにすわったことは実に胸を躍らせることだったのだ。
 一方、西山貴浩の思いに触れ続けてきた一節、やはり彼に肩入れする気持ちもあった。西山といえば、代名詞のようにエンターテイナーと言われたりもするわけだが、実際は勝負に対する姿勢は真っすぐだ。そして、彼の地元中の地元である若松SGともなれば、その闘志はさらに高まる。このクラシックでは、そんな西山をまざまざとピットで見せつけられた。また、西山が弟のようにかわいがっていた中田達也さんが亡くなってから、初めての若松SGでもあった。西山は中田さんの追悼が記された緑色のウェアを身に着け、また乗艇ズボンは中田さんが使っていたものと同じデザイン=オリオンビールをあしらったものだった。ちなみに中田さんの師匠である塩田北斗や、やはり若松を純地元とする仲谷颯仁も同様だった。天国の中田さんとともに戦う若松SG。そんな姿を見ていれば、こちらもシンパシーが高まってくるというものである。
 というわけで、YouTube「展望BOATBoy」の優勝戦展望で出した予想は「①=②-全」というものになってしまったわけだが(笑)、本来なら中立でなければならない立場ながら、妙に思い入れを抱いてしまった優勝戦。それが正しかったかどうかも含めて、実に複雑な心境で優勝戦のピットアウトを見守ったというわけである。

 このクラシックでの西山は、やはり一味違っていたと思う。西山といえば、SGでは低調機を引くことが多かったが、今回は本誌・三島敬一郎も高く評価していた34号機を引いたこともそのひとつ。ただ、このモーターはどちらかといえば直線足が秀でていると見られていたもので、西山向きかどうかは微妙なところだった。すると、西山は前検日のうちにペラを叩き変えている。畠山シュー長の見立てによれば、前検航走での直線足は評判通り良さそうだったという。しかし、西山は「出足がサッパリ」と言って、躊躇なくハンマーを振るったのだ。
 僕はその姿に正直、不安も感じていた。というのは、この日は気温が高く、また湿度も高かったこともあるのだろう、ほとんどの選手が「重い」と口にしていたのである。おおむね、起こしだったり、レバーを握った瞬間だったりのスピードの乗りが悪い、と受け取っていいだろう。すなわち、出足の部分にみな、違和感を覚えていたのだ。前検にはありがちな症状だし、また「おそらく気候のせいでしょうね」と言っていた選手もいた。たしかに気温も高く湿度も高い前検、というのは重さが出て当然である。つまり、西山もまた気象条件のせいで出足の重さを感じていた可能性はあり、翌日に気候が変わったところで判断しても遅くはない、あるいは西山の決断は早すぎないか、と思ったわけである。
 言うまでもなく、西山の決断は正解であった。初戦は6号艇で前付けしての3着。同じ初日の2走目は3コースまくり差しで1着。回ってからのシュッと前に押していく足は出色であった。明らかに前検の決断、そしてさらに進めた調整が間違っていなかったことを示していた。そうした調整に取り組むスピードや判断の冴えが一味違っていたと思うのだ。
 また、勝利を収めた直後の表情も、いつものSGとは違うように思えた。たしかにエンターテイナーの一面がある西山は、勝てばおおいにはしゃいでみせて、周囲の笑顔を引き出すというシーンが多々あるのである。しかし、先のまくり差し勝利も含めて、このクラシックでは見られなかった。僕らの目の届かないところではどうだったかはわからないが、少なくともピットに戻ってきた瞬間の西山の表情は鋭かった。その目は、優勝しか見据えてはいない。そうとしか思えなかったのだ。
 そんな西山の思いを多くの人も感じていたのではないか。4日目8R、3着で予選トップという勝負駆けで4着に敗れた瞬間、ピットには少し痛切な空気が漂っていた。この若松SGを西山に獲らせたい。無意識にでもそんな思いになっていた人が(選手も関係者も含めて)多かったとしか思えなかった。むろん僕もその一人だったのだと思う。予選トップ=優勝ではないのは当たり前だが、トップで優勝戦に白いカポックで乗ってもらいたいと考えていた人が多かったのは、きっと間違いないことだと思う。(次ページへつづく)

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