
地元勢が気合と気持ちを表現したSG開幕戦!
難しい気象条件のなかで激闘続々!
前検日から安定板を装着するほど水面が荒れ、初日は1Rから安定板装着に加えて周回短縮。3日目にも安定板が着き、5日目にも12Rのみ装着。全体を通して、荒れ気味の水面状況で行なわれたSG開幕戦である。さらに言うと、シリーズ前半は最高気温が20℃を超える春から初夏の気候で、それが一転、後半は寒の戻りで冬の気候に。前検日には「重い」というコメントを残す選手が圧倒的で、調整には苦心する一節だったことだろう。
そうしたなか、好調な航跡を描いたのは予選トップ通過を果たした佐藤隆太郎。また、若松には圧倒的な思い入れをもつ西山貴浩。佐藤が引いた30号機は、2連対率こそ20%台だったが、それまで7節使って6節でB級選手が使い、もう1節もA2級ではあるが勝率5点台。着を落としたレースもあったけれども動きは軽快で、本誌モーターキングの三島敬一郎も評価を高くしていたモーターだった。西山が引いた34号機はまさに注目機で、三島もやはり高評価。西山は前検日に「出足がサッパリ。これではレースにならない」とプロペラを大幅に叩き変えていたが、これがばっちりハマった。さすが調整面も含めて若松を知り尽くした男である。

佐藤と西山は準優に1号艇で進出し、揃って逃げ切りで優出を果たしている(10R、11R)。しかし準優9Rは荒れた。1号艇の池田浩二がインで立ち遅れ(起こしで“鳴いた”と悔やむ池田だった……)、2コースの新田雄史がジカまくりに出たところを、4コースからまくり差した久田敏之が先頭へ。しかし、2マークでは切り返した新田が久田を弾き飛ばす格好となり、これが不良航法をとられてしまう。新田は先頭ゴールしたものの賞典除外。3着に敗れレース後には落胆していた池田が繰り上がりで優出となった。久田のうなだれた姿もせつなかった……。
優出を果たした西山もそうだが、地元勢の奮闘も目立った。やはり若松が純地元の塩田北斗は9Rで2着に入りSG初優出。西山は何度も故・中田達也さんの名前を口にし、彼の分までと誓っての戦いだったが、塩田は中田さんの師匠である。彼もまた愛弟子の魂を胸に優勝戦に駒を進めたのだ。優出はならなかったが、2月九州地区選優勝でやはり純地元の若松クラシックの切符を手にした仲谷颯仁も、4日目に勝負駆けを成功させて予選突破。ほかにも前田将太が準優出を果たしており、地元勢が気合を表現してみせた若松クラシックだったと言える。
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