
PGⅠ第39回レディースチャンピオン節間最新レポート【5日目】

<ピットから>
深川麻奈美の表情が固まって見えた。魚谷香織や川野芽唯と語り合いながら、微笑が浮かんでいるようにも見えたのだが、それは切なさをたたえた微笑。というより、そのまま表情が固まってしまったようにも見えていた。悔やまれるのは、やはり昨日の12Rということになろう。3着で予選トップ通過、道中は4番手でそのままなら準優1号艇、それらが無に帰す6着大敗……。そして、2番手先行する勝浦真帆を捕えきれずに優出を逃した準優……。控室に戻る足取りが、実に重かった深川。ずいぶん後に戻り始めた遠藤エミとの差がみるみる詰まるほどだった。この思い、どこかで晴らしてほしい……。

優出は果たしたものの、予選トップで準優1号艇を活かし切れなかった平山智加。2着はもちろん望むべく結果ではないだけに、こちらも悔しさはつのったことだろう。それでも、ピットに戻った直後は、笑顔で同支部の後輩である松尾夏海を讃えてはいたのだ。しかしその表情は本音ではなかったのだろう。
5日目の今日は、レース後にボートを選手総出で洗浄する日。もちろん、出走した当該選手も参加しなければならない。しかし、平山はそれを忘れて控室に戻ってしまったのだ。もちろん、他の5選手はボートを洗ってから戻っている。それくらい、平山は敗戦の悔しさで頭がいっぱいだったということだろう。そのことを詫びた平山に、岩崎芳美が笑顔でお尻を叩く。岩崎も平山の心中を察したということだろう。ルーティンさえ忘れるほどの痛恨の敗戦。それを帳消しにできるかどうか、優勝戦は平山にとって熱い勝負となる。

<今日のベストレース>
9R 守屋美穂 3コース差し
レースとしては、イン寺田千恵がスタートで後手を踏み、2コースの平田さやかがプレッシャーをかける1マークを寺田千恵は伸び返してやや強引な先マイ。流れ気味のふところに二番差しで飛び込んでの1着、というもので、半ば展開の利がもたらした勝利ではある。レースとしては4カドからスリット先行で攻めていき、インが先マイに出るとドンピシャのタイミングでまくり差しを突き刺した3Rのほうが印象的だったかもしれない。
そう、今日の守屋は連勝。1年もの間GⅠから遠ざかり、またSGからも遠ざかって、臥薪嘗胆の日々を過ごした。GⅠ復帰戦となった今大会、選出1位で出場を果たし、ドリーム戦は1号艇で登場。さらに言えば、今月のボートレースメモリアルでSGも復帰。守屋としては決意を込めてのビッグ復帰だったことだろう。しかし、3日目の選手責任転覆&不良航法で大減点を課されて優勝争いから脱落。結果として、消化不良の一節である。
それが、賞典日となる5日目、そこに進めなかった鬱憤を晴らすかのようにセンター枠で連勝。まさしく、格上の意地である。安定板装着となる荒れ水面のなか、きっちりと貫禄を見せつける芸当は誰にでもできるわけではない。それをやってのけたのは、予選落ちの憂き目があったなかでは、文句なしの復活のノロシと言えるだろう。
いい結果とは言えなかった今節だが、守屋美穂ここにありを見せつけたという点では悪くないビッグ復帰戦だったかも。ここからの守屋美穂の逆襲、おおいに楽しみになってきた。
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