待望された鎌倉涼の戴冠
ますます分厚くなる女子戦線

まず、今後の女子戦線にとって非常に明るいレディースチャンピオンだった、と思う。毎日ライブ配信しているYouTube「展望BOATBoy」の視聴者コメントにもあったのだが、若手選手たちの健闘がおおいに目立ったのだ。
たとえば、この節の登番最若手である刑部亜里紗。初日から本体整備を行ない、決して機力上位とは言えなかったと見ているのだが、しかしレースぶりは光った。外枠からも1着を獲り、しっかり着をまとめて準優は2号艇。その準優も朝から本体整備をしていた刑部だったが、それも含めて全力で先輩たちにぶつかっていた姿は、実に頼もしいものと言えた。
スピードクイーンメモリアルに続いて予選突破を果たした山口真喜子も見事だった。そのスピードクイーンでも未勝利で、今回も1着がないまま準優進出。なかなか水神祭をあげられないことが取り沙汰されたりもしたが、しかし登番5000番台の若手がGⅠ初出場から2節連続で準優出を果たしたことは大きな大きな価値があることだ。優出はならなかったが、そうなれば1号艇が回ってきた最終日にGⅠ初勝利を飾ったのは自然なことだった。それくらい、山口の見せた走りはGⅠレーサーとして立派だった。
残念ながら減点もあって予選落ちとなったが、清水愛海も随所で素晴らしいターンを見せた。やはり予選落ちだが、高憧四季と果敢な攻撃性は実に爽快だった(水神祭達成!)。彼女たち登番5000番台だけではない。116期の勝浦真帆は、GⅠ初出場にして優勝戦まで駒を進めてみせた。昨年の今頃はBⅠ級だった勝浦は、その秋に初優勝を果たすと年末のクイーンズクライマックスシリーズで優勝して名を売り、今年に入って初A2級からとんとん拍子で初A1級、そしてレディースチャンピオン優出である。この上昇ぶりはあまりにも目覚ましい。
若手の枠にはもう入らないかもしれないが、藤堂里香のGⅠ初勝利も嬉しい話題だった。101期だから守屋美穂や櫻本あゆみと同期である。男子では篠崎仁志や片岡雅裕がいる。そうした同期生の活躍を見守りながら、こつこつと努力を重ねてデビュー17年9カ月でレディースチャンピオン初出場。その2戦目でGⅠ初勝利をあげた。レース後に見せた涙は、実に美しかった。同期や同世代には遅れを取ったかもしれないが、こうして同じ舞台に立てたのだ。また、113期の黒澤めぐみにしても、デビュー11年9カ月でのGⅠ初出場、そしてGⅠ初勝利。彼女は一時、“4期通算”による退会勧告の危機があった。それを乗り越えて、GⅠの舞台で輝いてみせたのだ。
そうした“新勢力”の台頭は、これからの女子戦線の陣容をますます厚くするのは間違いない。今回、直前の負傷により欠場となってしまった川井萌も含めて、女子ビッグは彼女たちの活躍で白熱していく。その予兆を感じられたのは、とにかく嬉しいことだ。
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