遠藤エミら強豪が存在感発揮

まず大きな注目を集めたのは、遠藤エミだ。優勝すれば、鵜飼菜穂子以来の大会3連覇。また、4度目の優勝は山川美由紀に並ぶ最多タイで、女子レーサーのレジェンドに並ぶ偉業達成が果たされるかは、戦前最大のトピックだった。結果を先に言えば、それはかなわなかったのだが、存在感はおいに発揮したと言えるだろう。ドリーム戦6着、2走目も4着とまさかの大敗スタートだったものの、その後は立て直して得点率3位で予選突破。優出も果たして、偉業への期待を最終日までつないでいる。
もう一人、注目されたのは守屋美穂だ。昨春のSGとGⅠの準優Fで1年以上ビッグ戦線から遠ざかっていたが、このレディースチャンピオンでGⅠ復帰。しかもドリーム戦1号艇での登場で、ビッグ復帰でのいきなりの大活躍が期待されていた。ドリーム戦こそ2着に敗れたものの、予選前半はさすがの強さを見せて、健在ぶりを発揮。しかし3日目11Rでまさかの選手責任転覆&不良航法で一気に後退、GⅠ復帰戦を飾ることはできなかった。それでも改めて今後のビッグ戦線での奮闘を予感させる一節だったとは言えるだろう。
ドリーム戦を勝ったのは渡邉優美だ。2月に同じ浜名湖で開催された新設PGⅠスピードクイーンメモリアルの絶対的主役と目されながら、F休みで不出場。その鬱憤を晴らすかのように3コースから差し切ってドリームを制してみせた。その後も消化不良のレースもありながら、しっかり2号艇で準優出。その準優もいったんは後退を強いられたものの、見事な追い上げで優出を果たしている。
初日連勝を果たしたのは平山智加。その後も着実にポイントを重ね、予選トップ通過を果たしている。ただし準優は悔しい2着。優勝戦も3着に終わっている。やや悔いが残る結末とはなってしまったが、実力者ぶりを発揮して年末への足掛かりを作ったとは言えるはずだ。

そうした実績組の活躍の一方で、奮闘を見せたのはまず深川麻奈美。3日目を終了して得点率トップに立ち、4日目12Rの大敗で順位を下げたものの、大きな見せ場を作ってみせた。また、GⅠ未勝利組は藤堂里香、黒澤めぐみ、前田紗希、勝浦真帆、高憧四季、山口真喜子と6人が出場していたが、全員が水神祭を達成。勝浦と山口は予選を突破し、さらに勝浦は優勝戦まで駒を進めている。上位勢も伏兵組も若手たちも、あるいは山川美由紀や寺田千恵らベテラン勢も、たくさんの輝きを一節間に散りばめてみせた、実に濃密なレディースチャンピオンだった。
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