
SG第40回グランプリin住之江 徹底展望!
「トライアル2nd組有利」は動かない!?

もはやグランプリにまつわるセオリーとして、ファンの間にも浸透しているのではないか。
「トライアル2nd組が有利である」
ようするに、トライアル1stを免除され、トライアル2ndから出場する「賞金ランク1位~6位」が有利である、ということだ。これは、選手の口からも聞かれる言葉だ。特にグランプリ出場経験がある選手は、「グランプリを獲るなら賞金ランク6位以内での出場を目指さねばならない」という主旨の発言をする。実際にグランプリを戦っての実感なのであろう。それほどまでに、今やこれは真理のように捉えられているのだ。今年も賞金ランク1位~6位で出場する6名が優勝候補の有力選手ということになるだろう。
これは昨年のグランプリ展望にも記されているが、改めてその理由として考えられるものを紹介しておこう。
①モーター上位6基が割り当てれる
グランプリ出場18名には開催場の上位モーター18基が割り当てられるが、2nd組にはさらにそのなかから上位6基が割り当てられる。ようするに、そのレース場のエース級モーターを手にするチャンスがあるということになる。
②トライアル2nd初戦は内枠
トライアル1st初戦は内枠から賞金ランク順(7位~18位)に組み込まれるが、トライアル2nd初戦は1号艇から3号艇に賞金ランク1位~6位の選手が入る。内枠から賞金ランク順に組み込まれるのだ。つまり、トライアル1stから2ndに勝ち上がった選手は、初戦で必ず外枠を強いられることになる。その時点で2nd組が有利なのは明白だ。
③初日と2日目を調整に専念できる
選手は全員がモーター、プロペラ調整に励むわけだが、レースがある以上、どこかの段階で見切りをつけて、レースに向かわねばならない。たとえ調整不足と感じたり、調整が失敗したと思ったとしても、レースが近づけばそこでいったん切り上げることになるのだ。しかし2nd組は初日、2日目はレースがないので、すべての時間を調整に費やせる。仮に方向性が間違っていても、この2日間についてはレースに影響しない。そう感じたらやり直せばいいのだし、同時に失敗を恐れずに思い切った調整を試してみることも可能なわけだ。調整面でもアドバンテージがある、ということである。

そうした理屈をふまえたうえで、このシステムでグランプリが行なわれた過去11回を振り返ってみると、データ的にも2nd組が優勢であることは一目瞭然である。優勝選手は2nd組8名、1st組3名。優出選手は2nd組44人、1st組22人。優勝選手は8割方が2nd組で、優出選手は3分の1が2nd組なのだ。
1st組が優勝した3回は、少々特殊な事情があったのも見逃せない。14年はこのシステムで行なわれた最初のグランプリで、開催場は平和島だった。22年は大村開催。3回中2回が、圧倒的開催回数を誇る住之江以外で行なわれたグランプリなのだ。やはり住之江以外で行なわれた20年も(平和島開催)、優勝は2nd組の峰竜太だったが、過去11回で唯一、1st組が優出選手数で2nd組を上回っている。住之江以外のグランプリでは“例外”が起きやすいとも受け取れるわけである。住之江開催だった21年は、優勝戦で4選手が失格となって3連単不成立となったレース。優勝した瓜生正義は1マークでまくり切っており、優勝の価値は揺らぐことはないが、レース自体が異常事態だったのは確かである。
住之江開催だった過去2年は、1stからの優出は1人だけで、優勝戦の上位も2nd組が独占した。流れ的にも2nd組に向いているように見える。ますます今年も、2nd組が優勢に優勝戦線を進めていくような予感がしてくるわけである。さあ、今年もその流れを引き継ぐグランプリとなるのか、それともこの流れを1st組が断ち切ることができるのか。それも大きな焦点となってくる。
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