
PGⅠ第14回クイーンズクライマックス節間最新レポート【最終日】
<ピットから>

5年後に大村で獲ったよ! 優勝後、夫である深谷知博に伝えたい言葉を問われ、鎌倉涼はそう語ってウィニングランに向かった。そう、5年前のダービーで、深谷知博が大村SGを制覇。そして今日、大村PGⅠを鎌倉が制覇。大村の水面での最高の思い出を共有できたのだから、鎌倉にとっては最高の大晦日となったことだろう。
レディースチャンピオンを獲ったときもそうだったが、鎌倉は嫣然と微笑んで喜びをあらわしていた。もちろん仲間に出迎えられ、あるいはウィニングラン同乗のため待機していた若狭奈美子と顔を合わせれば、嬌声をあげている。ただ、それ以上の歓喜を爆発させるわけでもなく、しかしにこやかに勝利をあらわすその表情は、まさにアルカイックスマイル。尊ささえ感じてしまうほどだった。女王の称号にまったくもってふさわしい!

準Vとはいっても、渡邉優美はまずせつなそうに眉をひそめた。ピット離れで遅れて6コースへ。おそらく頭に描いていたはずの戦略はすべて台無しになってしまったはずだ。あえて言うなら、悲願は遠のいた瞬間だったかもしれない。4カドから遠藤エミがまくっていったことで自身も握る展開になり、それが奏功して2番手争いにまでなったが、優勝戦は6コース2着で上出来ということはない。一瞬、泣き顔にも見えるほど、目元が哀愁を帯びていた。その後は、臨場していた選手会代表の瓜生正義(同支部の先輩でもある)にねぎらわれて笑顔を見せ、モーター返納作業では割り切ったように笑ってもいた。悲願を成就させるためにも、ここは前を向くしかない。

遠藤エミは、守屋美穂にねぎらわれた瞬間に露骨に顔をしかめている。4カドからまくっていったのは気合の証し。そして絶対に勝利を掴み取るのだという決意の証し。しかし及ばなかった。その後は2番手争いにも競り負けたけれども、その表情にあふれ出た悔恨はもっぱら1マークで思いが届かなかったことに対してだと思う。いや、悔恨というよりは屈辱と言ったほうがいいかもしれない。そうだとするなら、遠藤エミだからこそ、味わう感情。遠藤にとってはひたすら悔いばかりが残る大晦日となってしまったのかもしれない。
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