
PGⅠ第12回ヤングダービー節間最新レポート【5日目】
<ピットから>

中山翔太の落ち着きぶりは、いったい何だろう、と思ったりする。もしかしたら、逆に緊張していて淡々と見えるだけなのか、と想像したり。それくらい、準優1号艇を逃げ切ってあがってきても、浮足立ったりすることもなく、はしゃいだりするわけでもなく、粛々と作業を進めているのである。130期の同期生がいたりすれば、違ったのだろうか? ただ、GⅠ初優出という緊張する局面で、この様子を保てるのならそれは強みになるはずだ。今節最年長の豊田健士郎が身近にいるのは、大きいのではないかと思う。

そして、新開航もまた実に淡々としたもの。レース前も特に緊張を感じている様子もなく、レース後も軽く微笑む程度で感情を大きくあらわにはしていない。格上の貫禄と言うべきかもしれないが、SGでもわりと飄々としていることが多いので、同世代との戦いでも同じ振る舞いでいるということなのだろう。優勝戦1号艇、もちろんこの飄々感は確実に強みになる。
<今日のベストレース>

3R 豊田健士郎 4コースまくり
スリットで藤田俊祐が後手を踏み、2コースの前田翔がジカまくりか、という隊形。3コースの中野希一は前田がまくれば展開が向くから、その隊形を見て差し想定だっただろうか。ところが、水神祭がかかっていた藤田は、まくられては目がなくなると、前田を制しての先マイに出た。その勢いを感じ取った前田は、すかさず差しに切り替える。ようするに、2コースの前田も、3コースの中野も差しハンドルで、レバーを落とし減速しているわけだ。
今節最年長、SGや記念でも揉まれてきた豊田健士郎が、そんな展開を見逃すはずがなかった。内2人が落とした瞬間、4カドから握り込んでまくり発動。落とした内、握った豊田では当然スピードが違うわけで、豊田はものの見事にツケマイ気味のまくりを決めたのだった。レースの機微においては一日の長がある豊田ならではの、技ありまくりだ!
もちろん、機力やターン技術の裏付けがあって可能だったことも事実で、一般戦に入ればすべての面で豊田が一枚も二枚も上手だったということだろう。最後のヤングダービーは無念の結果に終わってしまったが、一般戦でしっかりと格の違いを見せつけた。そんな豊田にアッパレだし、今後のSG・GⅠ戦線での活躍におおいに期待したいと思う。
BOATBoy最新号
boatboy newest release
