
SG第71回ボートレースメモリアル節間最新レポート【最終日】

<ピットから>
初日のオープニングセレモニーで、山口勢は気勢をあげた。「徳山オーシャンを西山に獲られたので、西山の地元で獲り返す」。その気合が水面に投影されて、4日目には4人全員に準優出のチャンスがあるという健闘ぶりだった。結果的に予選突破したのは白井英治と大峯豊の2人だったが、その2人が揃って優出。奇しくも、徳山推薦の2人である。
それは有言実行となった。白井英治が差し切って優勝。大峯も3着に入って、揃ってメダル授与式に登場した。そのことを、優勝後の囲み会見で問われて、白井は「地元返しだね」と笑った。その次の瞬間、白井はふと神妙な顔つきになる。
「貴浩がオーシャンで徳山を盛り上げてくれた。だから、少しでも若松を盛り上げたいと思っていました」
その思いが、オープニングセレモニーでのビッグマウスだったし、そして優勝戦での渾身の差しだったということだ。本当は西山貴浩に敬意を抱き、そして意趣返しというのではなく、あのときの西山と同じ思いで戦うということだったのである。西山は、徳山で巻き起こったニシヤマコールを一生忘れないと言った。白井も若松で巻き起こったエイジコールを一生忘れないだろう。

それにしても、瓜生正義は無念だったことだろう。ピットに戻ってきたとき、ヘルメットの奥で瓜生の目はやはり暗く見えたものだった。そんな様子に、選手仲間や関係者も声をかけるのをためらっているようにも思えた。装備を解いてモーター返納作業にやって来た瓜生は、ヘルプのために駆けつけていた前田将太に笑いかける。しかし、その笑顔は明らかに引き攣っていた。今日の瓜生は、選手会代表ではもちろんあるが、それ以上に勝利を渇望する一人のトップレーサーだった。それだけにやはり無念は大きい。
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