
SG第30回オーシャンカップ節間最新レポート【最終日】

<ピットから>
明らかに緊張していた。8R発売中、ボートを水面に下ろした西山貴浩。「早く終われ、早く終われ」と呟いて水面へと向かっている。この緊張感に包まれた時間よ、早く終われということだ。そういう思いを、周りに人がいると口にするのが西山貴浩という男。おそらく、控室などで一人になったときには、そうやって吐き出せない分、重圧と向き合って苦しんでいたものと思う。
しかし、そうして緊張をごまかさないあたりがまた西山貴浩。しっかり向き合ったあと、気合タップリにレースに向かう。トップスタートを決めて、きっちりと先マイ。逃げ切ってみせた。馬場貴也が猛追していたので、最後まで仲間たちも固唾を呑んで見守っていた。3周2マークを先頭で回ると、みな堰を切ったように拍手喝采。仲の良い森高一真が優しい笑みを浮かべていたのも印象的だった。

ピットに凱旋すると、「解放されたぁ!」と何度も何度も大声で叫んだ。「まだや!」と森高が突っ込んだが、おそらく今夜の宴のことだろう(笑)。その後もずっと叫び続けて控室へ。こんなにも騒がしいSGニューウィナー、見たことがない(笑)。ようするに、それくらい緊張感があったということでもあるだろう。優勝戦1号艇の一日、お疲れ様!

で、SG初制覇だから、もちろん水神祭! スタンドには100~200名ほどのファンが残って、優勝者の儀式を終えた西山を待ち構えていた。両手をあげて応える西山。水神祭は森高一真の音頭で行なわれ、ファンの方たちの掛け声とともに水面へと放り投げられた。このファン参加型水神祭、人気者の西山ならでは! つづいて仲谷颯仁、中村晃朋も飛び込んで西山を祝福。ピットには選手たちの笑顔があふれ、その輪のなかで西山は感慨深そうな顔も見せていたのだった。本当におめでとう!
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