
SG第30回オーシャンカップ節間最新レポート【5日目】

<ピットから>
11Rが終わると、森高一真、磯部誠、平本真之らが水面際に陣取った。西山貴浩と仲がいい面々だ。12Rのスタート展示、それを見守るためだろう。誰もが予選トップで1号艇に入った西山のことを気にかけている。もしかしたら、緊張の面持ちだった西山を彼らは見ていた? ともかく、多くの仲間が西山を応援していたのだ。

西山は逃げた。優勝戦1号艇を手にした。その瞬間、森高らは……意外や沸き立ったりはしなかった。これは安堵なのか、それともここが本当のゴールではないということなのか。彼らはただ静かに、西山が先頭を走るのを見守っていた。
レース後の西山も、特にはしゃいだりはしていない。安堵の表情が見え、また2着に入った羽野直也には笑顔を向け、そうして静かに各種インタビューへと向かっていた。それはどこか神妙にも見えた。おそらく、すでに緊張感はあるのだろう。そして、その緊張感を味わえる喜びを粛々と噛み締めている。カメラの前でおどける西山とは、少し違う顔がそこにはあった。

<今日のベストレース>
7R 森高一真 4コース抜き
4日目の勝負駆け、4カドから中ヘコみの内を叩いて見せ場を作った森高一真。インまでは届かずに流れて大敗を喫してしまっているが、伸びていく足には見どころがあった。
今日はまさにその再現! 7R4号艇の森高は、カドから内を叩いて伸びていってまくり攻撃。4日目同様張られてはいるが、気配の良さは今日も変わらなかった。
この展開を突いて抜け出したのは、6コースの平本真之! 内寄り優勢の今節、6コースからの上位浮上はまず見られなかった。それがついに5日目に出現! 平本は4日目、不良航法をとられて予選落ちとなっているが、一時は予選トップ通過の目もあるほど足色は確かだっただけに、この芸当をやってのけるのはやはりこの男かと思われた。
しかし、平本に待ったをかけたのが2コースから小差しで残していた定松勇樹! 舳先を掛けたまま一歩も譲らない定松は、2マークでは気合の先マイ。これを阻もうとした平本だったが、競り合うかたちになって定松に弾かれ後退。定松がこの争いを制したかと思われた。
勝負は終わっていなかった! 森高が蘇ったのだ。流れはしたが3番手あたりで踏みとどまっていた森高は、定松と平本が競り合う内に渾身の差しハンドル。これがきっちりと定松を捕らえて逆転先頭! 自力でまくり、張られはしたが、意地の逆転劇で見事に1着。ちからのこもる熱戦!
3番手でも毒島誠と海野康志郎の抜きつ抜かれつがあったりと(海野が先着)、見どころたっぷりの7R。SGレーサーたちは5日目一般戦であっても懸命に戦って、その実力をぶつけ合うのである!
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