
SG第52回ボートレースオールスター節間最新レポート【最終日】

<ピットから>
茅原悠紀は、ギリギリまでプロペラと向き合った。8R発売中の頃にはボートが装着場にあり、ペラ室の茅原はハンマーを振るっている。佐藤隆太郎が超抜の足色であることはもちろんわかっていただろう。しかし、茅原はその佐藤を破る方策を必死になって考えていたに違いない。そのために、プロペラ調整をやめるわけにはいかなかった。いや、優勝だけを目指すという衝動が自然とプロペラに向き合うことになったのだろう。
10R発売中にスタート特訓が行なわれている。その手応えをもとにプロペラを叩く選手はSG優勝戦では毎回見かけるわけだが、もちろん茅原もその一人だった。磯部誠や桐生順平も同様だったが、結局、最後までプロペラを叩いたのが茅原だった。絶対に佐藤を破ってみせるという思いが滲むその姿勢は、神々しくもあった。

しかし、勝負の世界は過酷だ。茅原の思いは届かず、佐藤隆太郎の圧勝である。佐藤もまた、スタート特訓後にペラ室に向かったが、早々に切り上げてふたたびペラを装着するため係留所に向かった。ハンマーを振るったかどうかも定かではない(たぶん叩いておらず、プロペラゲージで点検する程度だったと思う)。その腹の据え方もまた見事だった。「足がしっかりしていたから、落ち着いていけた」と佐藤は語る。素人目には、だからこそミスの不安が浮かんできそうにも思えるのだが、佐藤は「この足なら!」と強い気持ちを抱いて、バタバタすることなく優勝戦に臨んだのだ。そのハートの強さが、SG2連続優勝を成し遂げさせた原動力のひとつであることは間違いないだろう。

ウィニングランを終えて囲み取材を受けていた佐藤に、佐藤翼や平本真之が次々と祝福の言葉を掛けていく。選手代表の重成一人は、まだ佐藤が身に着けていたカポック等の装備を回収にあらわれ、佐藤に笑顔を向けていた。誰もがその強さに脱帽したし、そして称えていたのだ。それは同時に、絶対に無視できないライバルと彼らに認知されたことと同義でもあろう。そうした視線のなかで佐藤がどう戦っていくのかも興味の的になってきた。
<本日の水神祭>

5日目12RでSG初勝利をあげた川井萌。12R終了後は実施困難ということで、今日の14時10分(1Rスタート展示前)に水神祭が改めて行なわれている。
同期の清水愛海とともに飛び込んで、二人とも溺れかけるという一幕も(笑)。今節、SG未勝利だったのは清水と川井、中村日向で、全員が水神祭達成! おめでとうございます!
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