
SG第52回ボートレースオールスター節間最新レポート【5日目】

<ピットから>
佐藤隆太郎の落ち着きぶりには驚くばかりである。クラシックの時も同じことを感じた。なにしろあのときは、SG初優出で1号艇である。準優出も初めてで、しかも予選トップ通過。プレッシャーはあって当然、というか、実際に感じてもいただろうと思う。しかし、それをおくびにも出さず、レース前にも淡々と堂々と振る舞い、レースでもまるで重圧を感じさせない走りを見せ、また勝ったレース後も浮足立つことがない。SG初出場は昨年のメモリアル。SGキャリアが1年にも満たない“若手”とは思えない振る舞いなのである。

峰竜太も、優出を決めたあとの囲み取材で唸っていた。準優1号艇がすべて順当に勝てば、峰は優勝戦3号艇。まくり差し狙いと作戦を明かしつつ、「佐藤くんは本当に落ち着いている。失敗しそうにないし、ミス待ちではなく自力で勝ちにいかなければ」と話した。峰自身、何度もSG優勝戦で失敗をしていただけに、佐藤の様子には驚かされているのだろう。そして、だからこそ打倒佐藤に改めて燃えた様子であり、その激突が(峰と佐藤だけではないが)楽しみになってきた。

それにしても、島村隆幸のフライングはあまりにも残念。本人もそうだが、チルト3度のアドバイスを送り、チャレンジの背中を押した菅章哉のあまりの落ち込みっぷりといったら……。掛ける言葉も見つからないが、島村も菅も前を向いて次の機会へと向ってほしい。

<今日のベストレース>
8R 井口佳典 4コースまくり
井口が引いたモーター57号機は評判機のひとつ。本誌モーターキング・三島敬一郎の評価も高かったモーターだ。しかし、予選道中はなかなかその良さを発揮し切れなかった。足が仕上がらなかったというよりは、井口自身がリズムに乗り切れないところがあったか。井口にとっては消化不良の一節だったはずだ。
その鬱憤を8Rで晴らしてみせた! 4カドから一気に伸びていってのまくり一撃。井口らしい走りっぷりは爽快の一語で、井口佳典ここにありを見せつけた格好だ。井口といえば、大一番ではこうしたレースを数々残してきた。マスターズ世代に入ったが、卓越した決定力は健在! 次のSGでの再現を期待しよう。
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