
PGⅠ第40回レディースチャンピオン節間最新レポート【最終日】
<ピットから>

Vゴールを決めてピットに凱旋し、ウィナーインタビューのカメラの前に立った川野芽唯が、泣いた。正直、川野は笑顔が目立ち、涙を流すというイメージはなかった。15年クイーンズクライマックスを優勝したときも、恵まれVだったこともあるかもしれないが、涙を流していなかったように記憶している(今、過去記事を見返したら、「涙をぐっと堪えた。瞳はウルウルしていた」と書いていた……)。しかし今回は、たまらずに涙を流したのだ。クイクラ制覇からいつしか10年半が経っている。女子一線で活躍はしてきたが、その後はタイトルに恵まれず、世代の近い後輩たちが次々と台頭。同期の鎌倉涼、平高奈菜も女子タイトルを手にしている。女子上位で走りながらも、大きな勲章からは10年遠ざかった川野にとって、もしかしたら苦しい10年半だったのかもしれない。
また、会見で明らかにしたのはやはり得点率トップだった3年前の津大会。準優で2着に敗れ、優勝戦は4号艇から準V。今回はあの日の落とし物を拾う戦いでもあったわけだ。さまざまな思いが詰め込まれた優勝。福岡支部の面々から祝福の声をかけられた感動もあわせて、涙腺が緩むのは自然なことだったかもしれない。

5コースからまくり差して2番手争いには加わりながら、競り負けて4着に敗れた守屋美穂。ピットに戻ってもそれほど表情を変えることなく、ヘルメットをかぶったまま、JLCのブースにあるモニターに映し出されたリプレイに見入った。2周2マークまで確認したあと、控室へ。もちろん悔しいには違いないが、川野に完璧なレースをされれば致し方ない。そんな雰囲気だったのだが……写真をチェックして驚いた。明らかに悔しそうに顔を歪めているではないか。やはり勝ちたかった。せめて番手競りには負けたくなかった。5号艇でも本気で獲りにいったのだと改めて知って、その勝負師としての思いに震える思いだった。
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